「新NISAを始めたいけど、どこで口座を開けばいいのかわからない」——そんな悩みを抱えていないだろうか。ネット証券、銀行、対面証券と選択肢が多く、何を基準に比較すればよいのか迷うのは当然である。しかもNISA口座は1人1口座しか持てず、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で使うこともできない。金融機関の変更も年単位になるため、最初の選択は後々まで影響しやすい。
新NISAは、投資で得た利益を非課税にできる制度である。一方で、投資元本が保証される制度ではない。だからこそ、口座を開く金融機関は「なんとなく有名だから」ではなく、取扱商品、手数料、クレカ積立、サポート体制などを比べて選ぶことが大切である。
- 新NISA口座を選ぶときに見るべき比較軸
- ネット証券・銀行・対面証券の向き不向き
- クレカ積立やポイント還元で確認すべき条件
- 口座開設後に後悔しないための注意点
結論:新NISA口座はどこで開設するのが良い?
結論からいえば、多くの人にとって第一候補になりやすいのはネット証券である。理由は、投資信託・株式・ETFの選択肢が広く、クレカ積立やポイント還元、売買手数料の面でも比較しやすいからだ。
ただし、全員がネット証券を選ぶべきというわけではない。対面で相談しながら始めたい人、ネット操作に不安がある人、預金口座と投資口座を同じ金融機関で管理したい人は、銀行や対面証券も候補になる。
大切なのは、最初に「自分が何を重視するか」を決めることである。品揃えを重視するのか、ポイントを重視するのか、相談しやすさを重視するのか。優先順位が決まれば、候補は自然と絞り込める。
口座選びが重要な理由|1人1口座で変更は年単位
NISA口座は、1人につき1口座しか開設できない。複数の金融機関で同時にNISA口座を使うことはできず、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で使うこともできない。
金融機関の変更は可能だが、1年単位での変更になる。一般的には、変更したい年の前年10月1日から当年9月末までに手続きを完了する必要がある。また、その年にすでにNISA口座で買付をしている場合、変更後の金融機関で買付できるのは翌年分からになる。
さらに、変更前の金融機関で保有している商品を、変更後の金融機関へNISA口座のまま移すことはできない。変更前の金融機関では、保有商品の売却はできるが、新規買付はできなくなるのが一般的である。
このように、NISA口座は後から自由に分けたり移したりしにくい。最初の金融機関選びを慎重に行う価値がある。
迷ったらネット証券が候補になりやすい3つの理由
新NISA口座で迷ったとき、ネット証券が候補になりやすい理由は主に3つある。
- 投資信託、株式、ETFなどの選択肢が広い
- クレカ積立やポイント還元の仕組みを使える会社が多い
- NISAでの売買手数料を抑えやすい会社が多い
特に、成長投資枠で個別株やETFを買いたい人は、銀行よりも証券会社を中心に検討したほうが選択肢を確保しやすい。投資信託だけで運用する場合でも、ネット証券は取扱本数が多く、低コストのインデックスファンドを選びやすい傾向がある。
ただし、取扱本数が多ければ必ず良いというわけではない。最終的には、自分が買いたい商品があるか、手数料やポイント条件が自分に合うかを確認する必要がある。
銀行・対面証券を選ぶと満足しやすいケース
次のような人は、銀行や対面証券を選ぶことで満足しやすい場合がある。
- 投資の基本から相談しながら始めたい
- ネットでの注文や積立設定に不安がある
- 預金口座と投資口座を同じ金融機関で管理したい
- 商品数よりも手続きのわかりやすさを重視したい
一方で、対面サポートがある金融機関では、商品ラインナップや手数料がネット証券と異なることがある。相談できる安心感と、コスト・商品選択肢のバランスを見て判断したい。
比較軸チェック:新NISA口座の選び方
新NISA口座を選ぶときは、次の5つを比較すると判断しやすい。
- 取扱銘柄数とラインナップ
- 個別株・ETFを買えるか
- 手数料の無料範囲と例外
- クレカ積立とポイント還元の条件
- サポート体制と使いやすさ
すべてで満点の金融機関を探すより、自分にとって重要な項目を先に決めるほうが、後悔しにくい。
取扱銘柄数とラインナップ|本数だけでなく買いたい商品を確認する
投資信託の取扱本数は、金融機関を比較するうえでわかりやすい指標である。ただし、本数は時点によって変わる。さらに、同じ「成長投資枠」でも、投資信託だけを示している場合と、株式・ETFを含む商品案内をしている場合があるため、単純な横比較には注意したい。
| 金融機関 | つみたて投資枠 | 成長投資枠の投資信託 | 確認時点 |
|---|---|---|---|
| SBI証券 | 282本 | 1,494本 | 2026年1月14日時点 |
| 楽天証券 | 251本 | 1,324本 | 2025年2月28日時点 |
| マネックス証券 | 260本 | 1,300本以上 | つみたて投資枠:2025年10月末時点 成長投資枠:2026年2月末時点 |
| 松井証券 | 278銘柄 | 公式サイトで確認 | 2026年1月26日以降 |
本数が多いほど選択肢は広がるが、実際に大切なのは「自分が買いたい商品を扱っているか」である。候補の金融機関を2社程度に絞ったら、公式サイトの商品検索で目当てのファンドやETFがあるか確認しよう。
個別株・ETFを買うか|成長投資枠をどう使うかで選び方が変わる
投資信託だけで運用するなら、銀行も候補に入る。一方で、成長投資枠で個別株やETFを買いたいなら、株式取引に対応した証券会社を選ぶ必要がある。
銀行では、個別株やETFを直接購入できないケースが多い。成長投資枠で株式やETFも使いたい人は、最初からネット証券や対面証券を中心に検討したほうがよい。
また、つみたて投資枠と成長投資枠を別の金融機関で使うことはできない。「つみたては銀行、株式はネット証券」という分け方はできないため、1社で自分の投資スタイルに対応できるかを確認しておきたい。
手数料の見方|無料の範囲・条件・例外を確認する
「NISA口座なら手数料無料」と案内されていても、すべての費用がゼロになるとは限らない。無料になる取引の種類、対象商品、例外を確認することが重要である。
確認すべきポイントは以下のとおりである。
- 投資信託の買付手数料が無料か
- 国内株式・米国株式・ETFの売買手数料が無料か
- 海外株式や海外ETFに為替コストがかかるか
- 投資信託の信託財産留保額など、商品固有の費用があるか
- 無料の対象外になる取引方法や商品がないか
手数料ページの本文だけでなく、脚注やFAQにも例外が書かれていることがある。「無料」と書かれている範囲を確認してから口座を選ぶと安心である。
クレカ積立とポイント|最大還元率より条件を重視する
クレカ積立は、毎月の投信積立をクレジットカードで決済し、条件に応じてポイントを受け取れる仕組みである。主要ネット証券では月10万円まで対応しているケースが多いが、還元率はカードの種類、年間または月間の利用額、対象ファンドなどで変わる。
| 金融機関・カード | 月上限 | 主な還元率・条件 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| SBI証券 三井住友カード | 10万円 | プラチナプリファード:年間利用額により1.0〜3.0% ゴールド(NL):年間利用額により0.0〜1.0% 一般カード:年間利用額により0.0〜0.5% | カードの種類と年間利用額で還元率が変わる。条件未達だと0%になるカードもある。 |
| 楽天証券 楽天カード・楽天キャッシュ | 楽天カード:10万円 楽天キャッシュ:5万円 | 楽天カードは、ファンドの代行手数料とカード種別により0.5〜2.0%が目安 | 買いたいファンドの代行手数料区分を確認する。楽天カード決済は毎月12日が設定締切。 |
| マネックス証券 マネックスカード | 10万円 | 5万円以下:1.1% 5万円超〜7万円以下:0.6% 7万円超〜10万円以下:0.2% | 2026年10月買付分から、クレカ積立以外のショッピング利用額に応じた条件が追加予定。 |
| 三菱UFJ eスマート証券 三菱UFJカード・au PAYカード | 各10万円 | 三菱UFJカード:0.5〜1.0% au PAYカード:0.5〜1.0% | 貯まるポイントが異なる。三菱UFJカードはグローバルポイント、au PAYカードはPontaポイント。 |
| 松井証券 JCBカード | 10万円 | 一般カード:最大0.5% プレミアムカード:最大1.0% | クレカ積立以外の月間カード利用額が5万円未満の場合、一般カードはポイント付与なし。 |
ポイント還元で比較するときは、「最大○%」だけを見ないことが大切である。自分のカード利用額、保有カード、買いたいファンド、設定締切日を確認し、実際に達成できる条件かどうかを見て判断しよう。
サポートと使いやすさ|困ったときに自己解決できるか
サポート体制は、金融機関によって大きく異なる。口座開設前に、以下を確認しておくとよい。
- アプリやWeb画面が見やすいか
- 積立設定や注文画面の操作がわかりやすいか
- 電話・チャット・メールの問い合わせ窓口があるか
- 問い合わせの対応時間が自分の生活に合うか
- 店舗で相談できるか
投資を始めた直後は、積立設定、買付タイミング、ポイント付与条件などで迷うことがある。FAQが探しやすいか、問い合わせ先がわかりやすいかも、実際の使いやすさに影響する。
ランキングに頼りすぎない:新NISA口座おすすめの見方
「新NISA おすすめ ランキング」で検索すると、さまざまな順位が出てくる。サイトによって順位が違うのは、評価軸の重み付けが異なるからである。
ランキングは参考になるが、鵜呑みにするのは避けたい。自分の優先順位に置き換えて見ることが、後悔しない口座選びにつながる。
ランキングが割れる理由|ポイント・商品数・サポートの重みが違う
ランキングが割れやすい理由は、主に以下の違いにある。
- ポイント還元率を重視するか
- 投資信託の取扱本数を重視するか
- 株式・ETFの取扱いを重視するか
- アプリの使いやすさやサポートを重視するか
- 手数料の無料範囲をどこまで評価するか
たとえば、ポイント還元率を最優先すれば、カードの種類や利用額によって順位は変わる。取扱本数を重視すれば、公式発表の時点によって数字が変わる。サポートを重視すれば、ネット証券より銀行や対面証券のほうが合う人もいる。
本記事の見方|高・中・低で自分の優先度を決める
本記事では、特定の順位を一律に断定しない。代わりに、以下の5項目に「高・中・低」で優先度をつけてほしい。
- 投資信託の選択肢
- 株式・ETFの取扱い
- 売買手数料の安さ
- クレカ積立のポイント還元
- サポート・使いやすさ
「高」をつけた項目を中心に比較すると、自分に合う金融機関が見えやすい。たとえば、ポイント還元を重視するなら、還元率だけでなく「自分が条件を満たせるか」を見る。条件未達で還元率が0%になるなら、実質的なメリットは小さい。
最終的には、候補を2社程度に絞り込み、公式サイトで最新条件を確認するのが現実的である。
3タイプ別に候補を整理する
迷ったときは、次の3タイプで考えると整理しやすい。
総合バランス型:投資信託の本数、株式・ETFの取扱い、手数料、ポイント、操作性を広く見て選ぶ。迷ったらこのタイプで比較すると、極端に不便な選択を避けやすい。
ポイント重視型:クレカ積立の還元率と条件を重視する。ただし、年間利用額、月間利用額、カード種別、対象ファンドなど、自分が実際に満たせる条件かどうかを必ず確認する。
サポート重視型:問い合わせ窓口、店舗相談、アプリのわかりやすさを重視する。投資経験が少なく、操作や商品選びに不安がある人は、サポート体制を優先してもよい。
ネット証券派へ:新NISA口座のおすすめ証券会社
ここからは、ネット証券を検討している人向けに、主要5社の特徴を整理する。それぞれ「向く人」「注意点」「公式で確認すべきこと」を見ながら、候補を絞っていこう。
SBI証券が候補になる人|投信本数・株式取引・三井住友カード積立を重視
SBI証券は、投資信託の取扱本数が多く、国内株式・外国株式・ETFなどの取引にも対応している。2026年1月14日時点で、NISA対象の投資信託は成長投資枠1,494本、つみたて投資枠282本と案内されている。
クレカ積立は三井住友カードで月10万円まで対応している。還元率はカードの種類と年間カード利用額によって変わる。プラチナプリファードは年間利用額により1.0〜3.0%、ゴールド(NL)は0.0〜1.0%、一般カードは0.0〜0.5%が目安である。
向いてる人:投資信託の選択肢を広く持ちたい人、株式・ETFも買いたい人、三井住友カードを普段から使っている人
注意点:クレカ積立の還元率は年間利用額の条件に左右される。特に条件未達で0%になるケースがあるため、普段のカード利用額を確認してから判断したい。
楽天証券が候補になる人|楽天ポイント・楽天カードを重視
楽天証券は、楽天ポイントを軸にしたサービス設計が特徴である。2025年2月28日時点で、つみたて投資枠251本、成長投資枠1,324本の投資信託を対象銘柄として案内している。
楽天カードのクレカ積立は月10万円まで対応している。還元率は、ファンドの代行手数料とカード種別によって変わる。楽天キャッシュ積立は月5万円まで利用できるため、楽天カード決済と組み合わせて使う人もいる。
向いてる人:楽天ポイントを貯めている人、楽天カードをメインで使っている人、楽天経済圏との相性を重視する人
注意点:買いたいファンドの代行手数料区分によって還元率が変わる。楽天カード決済は毎月12日が設定締切のため、積立開始月にも注意したい。
マネックス証券が候補になる人|月5万円以下のクレカ積立を重視
マネックス証券は、2025年10月末時点でつみたて投資枠260本、2026年2月末時点で成長投資枠の投資信託1,300本以上を案内している。
マネックスカードのクレカ積立は月10万円まで対応している。現行の還元率は、5万円以下が1.1%、5万円超〜7万円以下が0.6%、7万円超〜10万円以下が0.2%である。月5万円以下の積立では、比較的高い還元率を受けやすい。
ただし、2026年10月買付分からは、クレカ積立以外のショッピング利用額に応じた条件が追加される予定である。マネックスカードを積立専用で使う予定の人は、改定後の条件を必ず確認したい。
向いてる人:毎月5万円以下の積立を予定している人、マネックスポイントを活用したい人
注意点:月10万円まで積み立てる場合、積立額が増えるほど還元率は段階的に下がる。さらに、2026年10月以降の条件変更にも注意が必要である。
三菱UFJ eスマート証券が候補になる人|銀行連携・Pontaポイントを重視
三菱UFJ eスマート証券は、三菱UFJカードとau PAYカードの両方でクレカ積立に対応している。いずれも月10万円までの積立が可能である。
三菱UFJカードでは、カード種別に応じてグローバルポイントが貯まる。一般カードは0.5%、ゴールドカードやプラチナカードは1.0%が目安である。au PAYカードでは、通常カード0.5%、ゴールドカード1.0%を目安にPontaポイントが貯まる。
また、au PAYカード積立は毎月15日頃が申込締切とされている。設定タイミングを逃すと、翌月以降の開始になる可能性がある。
向いてる人:三菱UFJ銀行をメインバンクにしている人、au経済圏でPontaポイントを貯めている人
注意点:三菱UFJカードとau PAYカードでは、貯まるポイントの種類が異なる。普段使っているポイントに合わせて選ぶと管理しやすい。
松井証券が候補になる人|JCBカード利用・サポートを重視
松井証券は、2026年1月26日以降のつみたて投資枠対象銘柄を278銘柄と案内している。クレカ積立はJCBカードで月10万円まで対応している。
還元率は、JCBカードの種類と月間カード利用額で変わる。一般カードは、クレカ積立以外の月間カード利用額が5万円以上の場合に最大0.5%。5万円未満の場合はポイント付与なしである。プレミアムカードは、月5万円以上で最大1.0%、5万円未満で最大0.5%となる。
向いてる人:JCBカードを月5万円以上使う人、松井証券のツールやサポートに魅力を感じる人
注意点:一般カードでは、月間利用額の条件を満たさないとポイントが付かない。カード利用額が少ない人は、ポイント目的だけで選ばないほうがよい。
銀行・対面派へ:新NISA口座のおすすめ銀行・証券会社の考え方
「ネット証券ではなく、銀行や対面証券でNISA口座を開きたい」という人もいるだろう。銀行や対面証券には、ネット証券とは違うメリットがある。一方で、商品ラインナップや手数料面では確認すべき点も多い。
銀行を選ぶメリット|相談・一括管理・店舗の安心感
銀行でNISA口座を開くメリットは、主に以下の点である。
- 窓口で相談しながら手続きできる
- 預金口座と投資口座をまとめて管理しやすい
- すでに取引のある銀行なら手続きの心理的ハードルが低い
- ネット操作が苦手でも対面で確認しやすい
投資が初めてで、一人で商品を選ぶことに不安がある人にとって、窓口で説明を受けられることは安心材料になる。ただし、相談を受けたとしても、最終的な投資判断は自分で行う必要がある。
銀行のデメリット|株式・ETF・商品数に制約が出やすい
銀行でNISA口座を開く場合は、次の点に注意したい。
- 個別株やETFを直接購入できないケースが多い
- 投資信託のラインナップがネット証券より少ない場合がある
- クレカ積立やポイント還元に対応していない場合がある
- 手数料や信託報酬の低い商品を選びにくい場合がある
銀行ごとに取扱商品は異なるため、一概には言えない。ただし、成長投資枠で株式やETFを買いたい人は、銀行だけで完結できない可能性がある。必ず公式サイトや窓口で、NISA対象商品の範囲を確認してほしい。
また、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で使うことはできない。「投信は銀行、株式はネット証券」と分けられない点も忘れないようにしたい。
対面証券を検討する判断基準|費用とサポートのバランスを見る
対面証券は、担当者に相談しながら商品を選べることがある。投資経験が少ない人にとって、説明を受けながら進められる点はメリットになりやすい。
一方で、対面サポートにはコストがかかる場合がある。手数料体系や提案される商品の内容は、事前に確認しておきたい。
確認すべきポイントは以下のとおりである。
- NISA口座での投資信託・株式の売買手数料
- 提案される商品の信託報酬やその他費用
- 担当者がどの範囲まで相談に乗ってくれるか
- ネット取引と対面取引で手数料が違うか
通常の課税口座では、上場株式や投資信託などの利益に20.315%の税率がかかる。NISAはこの税負担を抑えられる制度だが、手数料や商品コストが高ければ運用成果に影響する。サポートに価値を感じるか、費用に見合うかを確認しよう。
決め方の手順:新NISA口座の開設先を4ステップで選ぶ
ここまで比較軸を見てきたが、「結局どう決めればいいのか」と感じる人もいるだろう。次の4ステップで進めると、候補を絞り込みやすい。
Step1 投資スタイルを決める|投信だけか、株式・ETFも使うか
まず、自分の投資スタイルを決める。
- 投資信託だけで運用する
- 成長投資枠で個別株やETFも買う
- 毎月積立を中心にする
- スポット購入も使う
投資信託だけなら、銀行も候補に入る。株式やETFも買いたいなら、証券会社を中心に検討したほうがよい。つみたて投資枠と成長投資枠は同じ金融機関で使うため、1社で自分の投資スタイルに対応できるかが重要である。
Step2 優先順位を3つに絞る|品揃え・ポイント・サポート
次に、比較軸の優先順位を決める。特に重要なのは、以下の3つである。
- 品揃え:買いたい投資信託・株式・ETFがあるか
- ポイント:クレカ積立の条件を満たせるか
- サポート:困ったときに自分で解決できるか、相談できるか
全部が重要に見えるかもしれないが、優先順位をつけることで候補は絞りやすくなる。たとえば、ポイント重視なら「最大還元率」ではなく「自分が実際に受けられる還元率」で比較することが大切である。
Step3 候補2社で最終確認|公式サイトで最新条件を見る
候補を2社程度に絞ったら、公式サイトで最新条件を確認する。特に見るべきページは以下である。
- NISA対象商品の一覧
- 投資信託・株式・ETFの手数料ページ
- クレカ積立の上限、還元率、対象カード
- ポイント付与の条件・対象外商品
- 問い合わせ窓口やサポート時間
本記事で紹介した数字や条件は、参照時点の公式情報に基づく。金融機関のサービス内容は変更されることがあるため、最終判断は必ず公式サイトの最新情報で行ってほしい。
Step4 口座開設から初回買付までの段取りを確認する
金融機関を決めたら、次の流れで進める。
- 総合口座とNISA口座の申込み
- 本人確認書類とマイナンバーの提出
- 口座開設完了の通知を受け取る
- 入金またはクレカ積立の設定をする
- 商品を選び、買付または積立設定を行う
クレカ積立には設定締切日がある。楽天カード決済は毎月12日、三菱UFJ eスマート証券のau PAYカード積立は毎月15日頃など、金融機関やカードによって締切が異なる。開始したい月がある場合は、早めに設定しよう。
新NISA口座の比較で後悔しやすい点
新NISA口座選びでは、制度上の制約とポイント条件の見落としで後悔しやすい。口座を開く前に、次の点を確認しておこう。
その年に買付すると、金融機関をすぐ変更できない
金融機関を変更するには、変更したい年の前年10月1日から当年9月末までに手続きを完了する必要がある。さらに、その年にすでにNISA口座で買付をしている場合、当年分の金融機関変更はできず、翌年分からの変更になる。
つまり、「今年A証券で積立を始めたけれど、やっぱりB証券にしたい」と思っても、その年の枠をすぐB証券で使うことはできない。迷っている段階で買付を始めると、変更の自由度が下がる点に注意したい。
変更前のNISA商品は、新しい金融機関へ移管できない
金融機関を変更しても、変更前の金融機関で保有しているNISA口座の商品を、変更後の金融機関へNISA口座のまま移すことはできない。保有商品は、変更前の金融機関のNISA口座でそのまま保有するか、売却することになる。
変更後の金融機関では、新しいNISA枠で買付を行う。保有商品を1社にまとめたい場合は、売却して買い直す必要があるが、同じ商品を変更後の金融機関が扱っているとは限らない。移管できると思い込まないようにしたい。
ポイント目当てで選ぶと、条件未達で後悔しやすい
ポイント還元を重視して口座を選んだものの、条件を満たせずに思ったほどポイントが付かないケースがある。
後悔しやすいパターンは以下である。
- カードの年間または月間利用額を満たせない
- 買いたいファンドの還元率が低い区分だった
- 対象外カードや対象外ファンドを選んでいた
- 積立額を増やすと還元率が下がる設計だった
- 制度改定や条件変更を見落としていた
ポイントは魅力的だが、投資先や金融機関を選ぶ主目的にしすぎると判断を誤りやすい。ポイント条件は、実際に達成できるものだけを評価することが大切である。
つみたて投資枠と成長投資枠は別々の金融機関で使えない
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる。ただし、別々の金融機関で使うことはできない。一つの金融機関で両方の枠を使う必要がある。
「投資信託は銀行で積み立て、個別株はネット証券の成長投資枠で買う」という使い分けはできない。株式やETFを買う予定が少しでもあるなら、最初から対応している金融機関を選んでおくと後悔しにくい。
「無料」の対象外があるケースを見落とさない
手数料無料と案内されていても、対象外の取引や商品がある場合がある。確認方法は以下のとおりである。
- 手数料ページの脚注や注釈を読む
- FAQで「手数料」「対象外」「例外」と検索する
- 投資信託の信託財産留保額を確認する
- 海外株式・海外ETFの為替コストを確認する
- キャンペーン条件と通常条件を分けて見る
無料の範囲を確認しておけば、買付後に「この取引は対象外だった」と気づくリスクを減らせる。
まとめ
新NISA口座選びで最も大切なのは、自分の優先順位を先に決めることである。多くの人にとっては、商品数、株式・ETFの取扱い、クレカ積立、手数料の面でネット証券が第一候補になりやすい。ただし、相談しながら始めたい人やネット操作に不安がある人は、銀行や対面証券も候補になる。
NISA口座は1人1口座で、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で使うことはできない。金融機関を変更しても、変更前のNISA商品を変更後の金融機関へNISA口座のまま移すことはできない。こうした制約があるからこそ、最初の口座選びは慎重に行いたい。
候補を2社程度に絞ったら、公式サイトで最新の商品ラインナップ、手数料、クレカ積立条件、サポート体制を確認しよう。ポイント還元や商品数は変更されることがあるため、最終判断は公式情報に基づいて行うことが大切である。
新NISA口座 おすすめFAQ
出典
金融庁「NISAを利用する皆さまへ」
金融庁「NISAの抜本的拡充・恒久化のイメージ」
楽天証券「NISA口座の金融機関変更・移管」
SBI証券「クレジットカード決済による投資信託の積立サービス 月間積立設定金額1,000億円突破のお知らせ」(公開日:2026年1月14日)
SBI証券 FAQ「クレカ積立の月間設定金額上限10万円引き上げに伴い、三井住友カードのクレジットカード積立のポイント付与率は変わりますか?」
楽天証券「NISA商品ガイド」
楽天証券「楽天カードクレジット決済のポイント還元率」(更新日:2026年4月27日)
楽天証券「選べる引落方法」
マネックス証券「つみたて投資枠」
マネックス証券「成長投資枠」
マネックス証券「マネックスカードによる投信積立サービス」
三菱UFJ eスマート証券「三菱UFJカード決済による投信積立」
三菱UFJ eスマート証券「au PAYカード決済による投信積立」
松井証券「『SMTモメンタムファンド』シリーズや『SBI高配当株式ファンド』シリーズをはじめ、7銘柄の取扱いを開始します」(公開日:2026年1月21日)
松井証券 よくあるご質問「クレカ積立の設定方法を教えてください。」(更新日:2025年6月5日)
松井証券 よくあるご質問「クレカ積立の対象クレジットカードを教えてください。」(更新日:2026年1月30日)

